マネジメントのキーワードは「褒める」。サウンドクリエイターから転身したエンジニア/Dgt People 13

Dgt People2018/08/23

こんにちは。広報の讃岐です。

「Dgt People」は、DeNA Games Tokyo(DGT)で働くメンバーをカジュアルに紹介しています。DGTは、どんな会社でどんな人が働いているのか、インタビューを通して雰囲気を感じ取っていただけたら嬉しいです。

「Dgt People」の13人目は、技術部 マネージャーの木内淳一です。

ーー大学を卒業後、どんなお仕事をされていたのですか?

新卒でどこかの会社に入ったわけではないのですが、大学在学中から7年間、サウンドクリエイターをやっていました。作っていたのはゲームや映画やCM等のサウンドです。

ーーなぜサウンドクリエイターになろうと思われたのですか?

大学のときに、ボランティアでミュージシャンのマネージャーみたいなことをしてたんです。その流れで、曲を作れると仕事になるなと思って、試しに作ってみたんです。作った曲を収録の現場に持っていたら、そこでスカウトされたんで、「じゃあ、そのままやってみよっかな」って思ったのがきっかけですね。

サウンドクリエイターになって、「仕事でゲームに関われるんだ」って初めて思いました。ずっとゲームは好きなんですけど、ゲームは別の世界で作られてるようなものって思ってたので、ゲームって仕事になるんだって認識をしましたね。

ただ、この仕事をしているとき、ゲームと自分の間には、あまり繋がりが感じられなかったんです。ゲーム制作って、みんなでチームを組んで作り上げてくのですが、サウンドクリエイターって、ある程度できあがっているものに対して、「これに合う曲を作ってください」、ってオーダーが来るんですね。ですので当時は、「作ってる実感」が欲しかった、という想いはありました。

ーーその後、ゲームエンジニアになろうと思われたきっかけはなんだったのでしょうか?

シンプルに、ゲームを作りたいなって思ったのもきっかけの1つです。

ある会社がエンジニアの育成キャンプみたいなのをやってて、そこに参加したのですが、プログラミングも未経験だったので本当にゼロからのスタートでした。ゲームに関わる仕事は、エンジニア以外にもあります。プランナーも考えはしたのですが、プランナーになるためには、そもそもどんな要素が必要かわからないなって思って。

この育成キャンプの募集を見て思ったのは、未経験からでもなれると断言しているってことは、その会社はゲームエンジニアになるためのロジックを積み上げてるってことなんですよ。仮にこの育成キャンプを通してゲームエンジニアになれなかったとしても、そのロジックを吸収しておきたいというのもありました。

ーー他にもゲームエンジニアになろうと思ったきっかけはあるのでしょうか?

現実的な話で大きいのは、収入基盤ですね。サウンドクリエイターは不安定なことが多くて(笑)

あと、曲作りに理論みたいなのはあるんですが、曲の大枠の部分を引き出すのはセンスなのかなって思います。センスって努力ではどうにもならない部分なので、才能の壁を感じましたね(笑)なので、才能をどうにかカバーするために、夢の中で思いついた曲があったら飛び起きてメモるために、枕元にメモ帳を置いて寝る、みたいな生活をしたりしてました。

ーーまったく異なる職種への転職だと思うのですが、不安はなかったですか?

うーん、あんまりなかったですね。そもそも大学在学中は文学家になろうと思ってたので。「日本文学を教える教授のレベルが高い」と高校の恩師から聞いた大学に入学したんですけど、その大学に国文科はなかったんですよね(笑)

なので、仕方なく英文学科に入って講義を受けてました。そうしているうちに、有名な文学賞を受賞している作家を多数担当していた教授に「木内くんは才能はあるんだけど、お金にならないからやめなさい」って言われて(笑)本業にするには難しいので、他に稼ぎ口を持ってたほうがいいって話で。そのお話をしてもらったので、サウンドクリエイターになる後押しにもなりました。

ただ、サウンドクリエイターになったものの、特別、音楽の経験があったわけではないんです。それまでにちょっとピアノをやってたぐらいで、曲を作ったことは一切なくて。なので、理論を学んだり、音楽を録音や編集できるソフトやソフトウェア音源を買って使い方を学ぶところから始めました。

必要だと思ったらなんでも挑戦します。前の会社でもプログラマーだけじゃなくて、データサイエンティストみたいなことに挑戦してました。ゲーム運営に生かせると思い、セミナーに参加したり、本を読んだり、実データで分析したり、分析環境を整えたりしてましたね。なので、必要さえあれば、新しいことに挑戦するのって怖くないんです。もちろん、必要性やそれによって開ける未来があれば、ですけどね。

ーーDGTに転職を決めた理由はどんな点だったのでしょうか?

まず、転職活動をした大きな理由は、前職のゲーム事業部がなくなるということだったんです。自分にとって、その会社にいる意味になっていた人達がどんどん辞めていっていたというのもありましたし、他の会社の良いところも見てみたいなと思っていたので、転機だなという感じではありました。

DGTが、事業の戦略がきちんと立てられている会社だと感じたのも、入社を決めた理由です。

ーーDGTと前職とのギャップはありますか?

強いて言えば、DGTはプランナーが非常に優秀だなと思います。例えば、プランナーから「◯◯をやりたいです」という企画が出たとします。その企画に対して「何でやりたいんですか?」って聞くと、きちんと答えが返ってくるんですよね。

DGTのプランナーは、メンバーに提案する前に、ロジックをしっかり組み上げていると思います。チームで掲げているUXビジョンを前提として企画が作られているので、軸もぶれてません。

僕らサービスリードエンジニアは、サービスをリードするのがミッションの一つなので、しっかりと企画を作り込めるプランナーと話せる環境はいいなと思います。企画に納得感もありますし、おそらく企画はある程度成功するんだろうっていう安心感も備わってますね。そんな企画に関わる身として、プレッシャーや責任感もありますけど、充足感もあります。企画に狙いが考えられているので、仮にそのときに結果が出なくても、明日への礎にはなりますよね。

ーープランナーだけではないですが、DGTでは、議論は活発に行われている印象です

はい、DGTのメンバーは質問や疑問を投げかけても、きちんと議論ができるのはいい風土だなって思います。例えば、「これ、いらないんじゃないですか」って言える組織って相当強いと思います。「やりたいことをやらなくていい」っていう決断って、実は大変なことだと思います。

基本、何かやりたいじゃないですか。作って何かしたいし、何か新しいものを入れたいし。常に何かを作り続けてたいっていうのはクリエイティビティが求められる世界には必ずあると思うんですよ。そこにおいて、考え尽くした結果、サービスの世界観や価値を維持するために、自分達が考えたものを「やらない」って選択肢を普通に取れる組織って、強いと思うんです。

ーーマネージャーに就任された今、所属しているチームをどんな風にしていきたいですか?

他のチームがどうなのかはわからないですけど、自分のいるチームは、割と才能とマンパワーで解決しちゃってるところが残ってるんです(笑)

もっと楽をする方法はあるのに、才能と努力するだけの力があるので、それでなんとかしちゃう、みたいな文化があるような気がして。同じ結果が得られるのであれば、かける労力は最小限であるべきなんです。仕組み化や効率化への意識が若干薄いのかもしれません。最近はだいぶ変わってきたと思うんですけど、そこはなんとかしなきゃなって思ってます。

自分が今までのキャリアでやってきたのは環境改善や効率化が多かったので、リードエンジニアになった前後ぐらいから、その辺りに取り組んでます。

ーーマネジメントをする上で大切にしていることはどんなことですか?

今の段階で気をつけているのは、「褒める」ようにしていることですね。今までのキャリアでもマネージャーっぽいことはしていたものの、褒めたりしない厳しいスタイルだったんです。今考えてみると、そのマネジメントではほとんど成功してなくて。厳しくしてできる人も一部はいたんですけど、そういう人って一握りの天才なので、自分がマネジメントしなくても多分伸びるんですよ。

30代に入ってから振り返ったとき、「俺、何にもできてなかったな」って思いました。これからマネジメントするときは、単純に褒めて伸ばすというわけではないんですけど、それによって道を見つけ出してもらえたり、道を指し示してあげられたりするような言い方にはしたいなって思ってますね。

ーー以前は厳しかったなんて意外でした!

褒めるってすごい大切だと思うんです。ゲームも褒めの構造なんです。例えば、音ゲーでいうと、ボタンを押した瞬間に評価されて、「Perfect!」とか出るじゃないですか。その評価が積み重なって曲単位の評価が出て、さらにその評価が積み重なってイベント単位やゲーム全体で評価が出て。その評価自体が褒めることになっていたり、評価に応じて何かがもらえたり。

モバイルゲームではログインしただけで褒めてくれるものも多いですよね、ログインボーナスのことですけど。いいゲームって、「評価して褒められる」ってサイクルの多重構造が作られてるんですよ。褒められる要素がなかったら、そもそもゲームを続けないかもしれません。

褒められると、自分の中でもっと褒められようとしてミッションを厳しくしたりするじゃないですか。できたときに前より褒められるからなんですけど、そこって必ずしもゲーム側から強制されてるわけじゃないんですよね。そう考えると、自発的にステップアップしてくれるって、人を伸ばしていく上での理想的な形なんですよ。こういうことをマネジメントに生かしてみようかと思ってます。

教える場合って、マネジメントする側の能力の上限より伸びない、っていう話を聞いたことがあります。でも、マネージャーが携わって伸ばさなきゃいけない人って、そもそも自分の能力の上限を超えてる人もいるんですよ。そういう人たちを伸ばす際、どうしていこうかなと思ったときに、自分なりの解決策の一つが、褒める、でした。

ーー手法としてはティーチングではなくコーチングに近いのかもしれないですね。この手法を取り入れようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

コーチングって割と最近知ったんです。そもそもそういう方法があるんだって。圧倒的に自分はティーチングの方が得意なんで、今までずっとティーチングをしてました。

コーチングを知ったのは、チームリーダーになる際、井口前社長と面談をしたときですね。そのとき、「人間関係で相手に合わせてコミュニケーションを取っていくって、大切ですけど難しいですよね」って話をしてて。井口前社長から「コーチングにおいて人間には型は4つのタイプがある」って話をしてもらって。必ずしも当てはまってるとは思わない方がいいものですが、こういうタイプの人にはこういうコミュニケーションを取った方が上手く行きやすい、といったものです。タイプ分けそのものがコーチングの手法の一種なんですよね。ちなみに自分は「木内さんは多分、コントローラーの気質が強いと思う」って言われました(笑)

後日、この分類のことを調べました。その記事を読んでて面白かったんで、他の記事も読んでみたんです。そしたらコーチング手法がズラッと載ってて。このときにコーチングでも褒めることを主軸とした手法がいくつもあって、今まで自分が上手く行った数少ない例が大体そこに含まれていると知りました。

ですので、今まではたまたま取り入れた手法がコーチングに近いものだったというだけなのですが、これからはコーチング全般をマネジメントに取り入れて行こうと勉強中です。

ーーマネジメント以外では、どんなお仕事を担当されていますか?

マネジメントの他には「共通化プロジェクト」という社内の横断プロジェクトに参加しています。社内の各チームで、同じようなものを作っていることがあるんですね。それって無駄なので、各チームで作ったものを一箇所にまとめて、他で作らないようにすれば効率的だなと考えていて。

プロジェクトの内容は、当初想定していたよりも肥大化してはいるのですが、裁量を持たせてもらっているので、どんどん進めていこうかなと(笑)

ーーこのプロジェクトを通して目指しているのはどんなことですか?

各個別の案件としては、最悪、失敗してもいいとは思ってるんですけど、チーム横断で改善・効率化を進める文化をDGTに残すのが大目標です。文化や指向性が根付いていないと、環境が整備されたとしても簡単に風化してしまうと思うんです。

ーー今後のキャリア像はどのように考えていますか?

自分の能力として、スペシャリストよりマネジメントの方があっているって考えているので、そう選択をしているというのはあります。

もしも自分にもっと向いていることがあれば、そっちを選ぶのかもしれないですけど。今のところは、人に対して影響を及ぼす方が向いていると思っているからやっている、ってとこですね。

ーーキャリアとは別で、目指す自分の姿はどのような姿ですか?

昔からそうなんですけど、自分じゃなきゃできないことをやっていたいんですよね。
誰かができることだったら自分じゃなくてもいいので。

ーーありがとうございます。お休みの日はどんなことをされているのですか?

思いっきり寝てます(笑)アクティブかどうかでいったら、あんまりアクティブではないですね。1日中ずっとゲームをしてたりはしますけど。あとは平日あんまりできない買い物に行ったり映画を観に行ったりとか。もちろん外出は嫌いではないのですが、必要があれば、って感じですね。

ーー好きなゲームは?

昔っから『MOTHER2』が大好きです。世界観が好きですね!MOTHER2を知ったのはCMなんですけど、やったきっかけは、買った友達から「すごい面白い」って聞いて。「じゃあやるか」って思ってやりましたね。

ゲームの原体験は物心つく前からファミコンでマリオシリーズや『ドラゴンクエスト』をやってました。『ドラゴンクエスト』の曲はすっごい覚えてます(笑)

最近やってるゲームは、モバイルゲームが多いですね。『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)』と『にゃんこ大戦争』です。『にゃんこ大戦争』は、最初は少しやってただけなんですけど、すごい奥が深いことに気づいて。バランス調整がとんでもなくうまいんですよ。コンシューマーゲームは『Undertale(アンダーテイル)』ですね。

ーーモバイルゲームをやり始めたきっかけは何だったのですか?

実はゲーム会社に入るまで、モバイルゲームはほとんどやってなかったんです。ちゃんとやるようになったのは『モンスターストライク』ぐらいからですね。他社のゲームも研究しなきゃなって考えて、始めたんだと思います。

モバイルゲームって、コンシューマーゲームとゲームの面白さの設計思想が違ってる場合が多いように思うんですよね。コンシューマーゲームっていろんな要素を乗っけていって、最終的に積み上がった「宝の山」がゲームの形になっているタイプが多いような印象なのですが、モバイルゲームはどちらかというと、要素を徹底的に削ぎ落として、本当に一つの楽しさを追求してそれを中心にゲームを作っていくパターンが、成功しているタイトルには多いのかなと思ってます。モバイルゲームは、面白さのコアが明確でピンポイントですよね。

ただ、今はそうではないモバイルゲームも多くなってきてると思います。長く運営してくことで、新しいゲーム性が付け加えられることもありますしね。コンシューマーゲームも、原初的な面白さの「種」をひたすら探して、見つけたらそれを中心に作っていく例があるのも耳にしています。

モバイルゲームもコンシューマーゲームも、最終的にはプレイヤーが面白さという全く同じ軸で比べると思うので、もしかするとプレイヤーが本当に求めていることやクリエイターが本当に成すべきことに大きな違いはないのかもしれませんね。

ーーどちらだとしても、大切なのはプレイヤーに愛してもらえるかどうかですもんね。ありがとうございました!

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